English site / 日本語サイト
炭の土壌改良効果
はじめに
近年、木炭は環境に優しい資材として見直され、 多孔質で吸着性に富むその特性を生かして土壌改 良材や水質浄化材、 湿度調整資材といった新用途での利用拡大が進んでいます。 今回は、 当研究所 で実施した試験結果も含め、 木炭の土壌改良資材としての効果を紹介します。
1、木炭の特性と土壌改良効果
土壌の通気性、保水性、透水性及び保肥力の向上
木炭の最大の特徴は何といっても、内部表面積が大きいことです。 木炭は原料の木材と同様に、微 細な小孔隙(小さな無数の穴)がそのまま残っています。 その孔隙を広げてみると、 樹種にもよりますが 黒炭では約400m2/g、 白炭では約250m2/gの面積があります。 よく例に挙げられますが、 木炭1 の中にテニスコート2~3面分ほどの表面積を持っていることになります。 ちょっと想像できない広さで す。 これが、 土壌に施用した場合に養分や水を保持する力や微生物を繁殖させるための空間となり、土 壌の通気性・保水性・透水性の他、 保肥力が向上するのです。
保温効果
木炭は黒色で太陽熱をよく吸収します。 土壌に散布すると、 寒い時期には保温効果があり、 暑い時期 には根の蒸れを防ぎます。 例えば、 冬期に地表面1m2当たり200gの粉炭を散布すると地表温度が7 °Cも上昇することが分かっています。
土壌微生物の増加
焼きたての木炭は無菌状態ですが、土壌に施用した木炭は通常の土壌中では増殖しにくい有効微生 物に棲家を与え、他の微生物との競争を避けて増殖させます。 これにより土壌中の有効微生物の活性 化が図られるのです。 特に、 VA菌根菌(植物の根に侵入し、土壌に張り巡らせた菌糸から吸収した 分や水分を植物に与えるカビやキノコの仲間)の増殖率が高く、 植物の成長を助長します。
酸性土壌の矯正
木炭のpHは約8~9のアルカリ性です。 酸性土壌の矯正に用いる石灰散布と同様な効果があり、 容 積比5%の散布で土壌のpHが約0.6前後高くなります。
ミネラル分の補給
木炭には2~3%の灰が含まれています。 この灰は植物の成長に必要なミネラル分(主にカルシウム やカリウムなど)で、 有害なものは含まれていません。
2 、森林林業研究所での試験例の紹介
スギ間伐材から生産された粒状の木炭を苗畑に施用し、 土壌改良効果と緑化木 (ヤマモモ、クロマツ タイワンフウ、イロハモミジの4樹種) に対する成長促進効果について調査しましたので簡単に結果を 報告します。 木炭を土壌容積に対して0% 10% 20% 30%の割合で混合した4つの試験区に、 先 の4樹種をそれぞれ植栽して試験区毎の成長量の比較を行いました。 また、各試験区から土壌サンプ ルを採取して、 土壌の物理性及び化学性の違いを比較しました。
試験結果
土壌の物理性・化学性の改良効果
まず、土壌の物理性及び化学性の改良効果ですが、 木炭混合率が増えると土壌の柔軟性や通気性 保水性、透水性が高まり、 その中でも特に透水性の増加効果が顕著にあらわれました。 一方の化学 性では、 酸性土壌の矯正効果、カリウムイオンやリン酸の増加効果がみられました。 また、 植物が吸収 可能な窒素である硝酸態窒素やアンモニア態窒素の微増がみられました。
↑土壌改良用に生産された粒状木炭
炭の働きについて、上記の中に入っていないものがあります。
上記の事柄は、よく知られている事なので、ある意味常識的な事です。しかし、これ以外の素晴らしい方法があることをお知らせします。
●通電特性を環境に活かす!
・避難用の電池作りに
様々なものに利用されていますが、避難用の電池は誰でも作れます。
・空間のマイナスイオンを多くする
地中に撒いた炭の粉の周りには地中に流れる電圧が集まってきます。植物が光合成を行うと根から様々な有機化合物を生産するのですが、その有機化合物が微生物により無機物に分解され、そのときに発生する余剰電子により発電が行われるのです。その電圧も含め、炭の周りは電圧が高くなります。
・一つは、農地や新築の建造物を建てる前に地中に粉炭を固めて埋め込む(大きさや配置する角度があります)と農地では作物がよく育ち、人は健康になり、様々なモノに良い影響を与えます。広大な土地に利用できるので粉炭の利用に関しては最大です。
・もう一つは、前述のように大規模な工事ができない場合、建ててしまっている建築物や現在、使用している農地や住んでいる人々に良い影響を与えたいと思われる場合は、地中の電圧を利用した「陽イオン転換装置」を用いれば設置した箇所より半径50mの範囲が人の健康や農作物と様々なモノに良い影響を与えます。
下記は陽イオン転換装置です。
また、実際に使用されている写真です。
K 2 新炭の特徴
製造コストが小さい
システムプラントの構成が非常にシンプル。 だからイニシャルコストが少ない。
予熱の後は自燃してくれます。 したがって焼成のためのエネルギーコストが少ない。 間伐材、 籾殻等未利用の資源を有効活用。 だから原料コストが少ない。
したがって、 ふんだんに使えます。
有機物と無機物の合体 (ハイブリット炭)
セラミックコートが燃焼を阻止。 だから限りなく不燃に近い超難燃性。 セラミックが形態を安定。 だから微粉化しにくく扱いが容易。
セラミックが炭化物のハニカム構造を保持。 だから水の吸着性が抜群。
したがって、 いろいろな用途に使える。
新炭とは
有機物を無機物で覆い、 空気中で加熱し約700°Cで焼成したもの
新炭とその特許出願の要旨は、可燃物あるいは可燃物を含むものを出発原料とし、該原料の表面を無機質粘 結材で被覆して焼成することを特徴とする炭化物の製造方法であって、ここでいう出発原料となるものは、 従来ほとんどが廃棄処分されていた街路樹の剪定枝、 製材工場のオガ粉や端材、 廃材の粉砕物、 コーヒーや ビールや豆腐の搾り糟、 食品会社や家庭から出る生ゴミ 都市の汚泥、 製紙スラッジなどなど、 粒状または 粉状や泥状になる可燃物なら何でも良い。
新炭の製造と生産能力
新炭炭化装置(K2炭化装置)は有機物廃材を細かく砕く破砕機とミキサー回転式の炉で構成。 一般に物を 燃やすと灰になるが、 特殊な粘結材を混ぜることで完全燃焼を防ぎ再利用可能な粉炭が出来る。この粉炭は 吸水、 吸着性が高く、 セラミックコートが燃焼を阻止、 限りなく不燃に近い超難燃性炭である。 また、 70 0°C焼成のため木質炭のハニカム構成を最大に保持している。
上記の設備1台での生産能力は1日8時間あたり連続運転のとき、 約5~7mの新炭が出来る。この時のオ ガ粉の歩留まりは、約50~70%である。 故に1mの新炭を作るのにオガ粉は1.4~2.0mが必要で あり、1日8時間運転で7m2の製品を作るとき、 オガ粉の所要量は10~14m2となる。 混入する粘結材は 原料となるオガ粉の2~5%であり、最も良質の新炭を作るためには5%必要です。
新炭の需要予測
林野庁特用林産対策室の資料によれば、国内の木炭の使用量は国内産と輸入品の合計が約17万トンであり、その用途のうち活性炭として用いられるものが約5万トン (全体の27%) その他の用途として農業用・ゴルフ場用 調湿用 畜産用などその他の用途として約9万トン (全体の50%)と、 新炭が取って代われる 市場や用途先があります。
特に新炭と性質の似ているヤシガラ活性炭は、その殆んどが海外からの輸入で、輸入総量は約5万トンであり、これを容積に換算すると、比重を0.5としたとき10万m2という量になります。活性炭は、その製法 がバッチ式といって、密閉釜の中で蒸し焼きにし、その後に賦活という工程を経て製造されるため、燃料コストや生産性の低さからかなりの高価な素材であるが、新炭は今まで廃棄されていたような原材料に粘結材 を入れ、自らの燃焼で連続的に生産されるので製品価格ではかなり低く、今までの活性炭では価格面から使 用を控えていたところも、価格の低い新炭では使用に踏み切る可能性が充分に予想される。
一例として、新築住宅が調湿材として新炭を使用した場合を想定すると、木造住宅が年間50万戸新築され たとして、その1割が新炭を使用したと仮定すると、 1戸当たりセラミック炭を床下面積 50m2(約15坪) とし、使用料は1m2当たり40リットルとしたとき。
40粒×50m×5万戸=10万m2
と膨大な需要が生み出されます。
今後、その他の需要も掘り起こされるであろうから、新炭の需要は広がる一方であろうと思われます。
稼働動画はこちらです。

K2 炭化システム(有機物熱分解装置)樹木・一般家庭ゴミ・プラスチック・タイヤ・汚泥などの有機物を短時間(約20分)で炭化します。含水率90%でもOKです。これも一つのSDGsです。
